国定病院薬剤師です。趣味でマラソンをしているのですが、昨今のコロナ禍で大会が次々と中止になり、それに伴い走らない日々が続いてしまいました。
その結果、体重が増え、最近測定したら去年と比べて5㎏も増えてしまいました。
今年は減量を目的に走ろうかなと思っています。
減量を始めるにあたり、肥満が人体に及ぼす影響を調べてみましたのでそのことについてご紹介します。
基本的に食生活が乱れ肥満した体は、積み荷の重量オーバーを起こしたトラックに似ています。
人間の体を自動車に例えるとエンジンに相当するのは心臓ですが、心臓は余分な重量を引っ張るようにはできていないので無理をしながら積み荷を運ぼうと懸命に働きます。肥満しているときは心臓に負担がかかっている状態なわけです。
心臓が無理をしているということはガソリン、人間に例えると血液ですが血液の循環がおかしくなり、血栓ができたり手足が冷える、といった症状が出る場合があります。
自動車の積み荷が重量オーバーになっていると、自動車の骨格はちょっとした動きにも音を立てがたがたと揺れだします。人間に例えると関節を痛めている状態です。
自動車には人間の肝臓、すい臓に相当する部位はありませんが、人間は高カロリーなものを食べ続けるとすい臓からインスリンが過剰に分泌され血液中にある糖質が大量の脂肪へと変化します。
肝臓は大量の脂肪を全身に分泌し続け、この脂肪は血糖が代謝されるのを阻害し、人間の体を血糖が下がりにくい体質へと変化させます。このことが糖尿病の始まりとなる場合もあります。
このように適正体重をオーバーし、大量の脂肪が体に蓄積してしまうと心臓、血液循環、肝臓、すい臓、関節と、さまざまな場所に障害が出てしまうことがあります。
また、日本肥満症治療学会によれば、肥満している人は正常な体重の人の1.8倍、コロナウイルス感染症が重症化しやすいという報告もあります。
蓄積した脂肪を分解するためにはダイエットが有効です。
しかし世間には様々なダイエットに関する情報があります。
中には違法な薬物であったり、データを誇張しているものなどがあり、注意が必要です。
体重が気になる方、ダイエットの方法で迷っている方は病院を受診し、専門のスタッフに相談してみるのもいいかもしれません。
ダイエットをするためには正しい知識を身に着けましょう。