12月下旬は薬局が担当します。
今年は暖冬かと思っていたのですが、最近は冬らしく気温が一気に低くなりました。
昨日など雪が舞っており、本格的な冬の到来が感じられました。
寒くなってくると体調を崩す方が増えてきて、薬を飲む機会も多くなるかと思います。
そこで今回は「薬を何で飲めばいいか」ということについて書かせて頂きました。
一般的なのみ薬は、コップ1杯程度(約200cc)の水でのむことを前提にしてつくられています。
それ以外の方法でのむと、思わぬ事故につながることもあるので注意が必要です。
薬を水なしで飲んだり、少量の水で飲んだりすると、
薬が十分に溶けないので、吸収が低下して効果が発揮できないことがあります。
また、薬を水なしで飲んだ場合には、のどや食道にくっつき、
そこで溶け出した薬の成分が粘膜を痛めることがあります。
では、コーヒーやジュース、牛乳などでくすりを飲む場合はどうでしょうか。
コーラやコーヒー、紅茶、緑茶などにはカフェインが含まれています。
一部の薬品は化学構造がカフェインに似ているものがあるため、効果が強く出すぎる場合があります。
また、緑茶やコーヒーにはポリフェノールが多く含まれているため、薬がポリフェノールに吸着して効果が弱くなってしまうことがあります。
牛乳にはカルシウムが多く含まれています。
そのカルシウムが一部の薬と反応して効果が弱くなることがあります。
このほか、柑橘類のジュースをたくさん飲むと、尿がアルカリ性に変わり、
薬によっては効き目が強くなったり、弱くなったりすることがあります。
ジュースでは、グレープフルーツジュースで一部の血圧降下薬の分解が抑えられ、
作用が強く出てしまうこともあります。
薬との相性で、特に問題となるのはアルコールです。
アルコールは肝臓で分解されます。多くの薬も肝臓で分解されます。
このため、薬とアルコールを一緒にとると、薬の分解が遅れる、あるいは早まって、結果として薬本来の効果が得られないことがあります。
薬は水や白湯で飲むのが原則です。
薬を正しく飲んでこの寒い冬を乗り切りましょう。